本文へスキップ
ホーム記事ノウハウ・トレンド書類選考通過率の平均と上げ方|計算式・目安と、推薦が落ちる原因の分解
ノウハウ・トレンド

書類選考通過率の平均と上げ方|計算式・目安と、推薦が落ちる原因の分解

執筆:宮崎将成(株式会社エボルグ 代表取締役

公開日:2026-09-10 ・読了目安:11

書類選考通過率とは、企業へ推薦した件数のうち書類選考を通過した件数の割合を指す指標で、計算式は書類選考通過数 ÷ 推薦数です。人材紹介の実務上の目安は少なくとも50%、できれば70〜80%とされます(出典: PORTERS「人材紹介業で成果を出すKPI管理の方法とは?」)。ただし書類選考通過率について公的統計は存在しません——厚生労働省が公表する職業紹介事業報告書の集計結果は、新規求職申込件数・求人数・就職件数・手数料収入の集計であり、選考段階ごとの通過率は項目にありません。通過率が50%を切っているときに疑うのは、①求人理解の不足 ②推薦文の質 ③ターゲットのずれ ④企業側の選考基準の未確認の4点です。数字を動かす前に、まず分母の定義を社内で1つに固定してください。

推薦は出しているのに、書類で落ちる——。人材紹介のKPIファネルの中で、書類選考通過率はもっとも母数が大きい段のひとつです。ここが1割動けば、その下流の面接数も内定数も決定数も、まとめて動きます。にもかかわらず「相場が分からないので、自社の数字が悪いのかどうか判断できない」という状態のまま放置されがちな指標でもあります。

本記事は、紹介会社のCA・RA・マネージャーが自社の書類選考通過率を測り、原因を切り分け、上げるための実務ガイドです。※求職者ご本人で「自分の書類選考の通過率」をお探しの方は、後述の「求職者本人の応募ベースの数字」の節をご覧ください。以降は紹介会社側の歩留まり管理の話が中心になります。

売上目標から必要な行動量までを逆算するKPI設計の全体像は人材紹介のKPI管理 完全ガイド|売上を決定数×決定単価から逆算するにまとめており、本記事はその中の「書類選考」の各論です。

書類選考通過率とは|計算式と、分母の取り方でブレる問題

書類選考通過率とは、企業へ推薦した件数のうち書類選考を通過した件数の割合を指す指標です。計算式は書類選考通過数 ÷ 推薦数。人材紹介のKPIファネルでは「推薦」と「面接」の間に位置し、ここを通過した案件だけが面接以降に進みます。

測る前に決めておくべきことが1つあります。分母の定義です。「CAが推薦した件数」を分母に置くのか、「企業が応募として正式に受理した件数」を分母に置くのかで、同じ実態でも数字は変わります。推薦したが企業側が選考に載せなかった案件を分母から外せば、通過率は当然高く出ます。

同じ月・同じチーム・同じ55件の書類通過を、分母を変えて計算した場合

分母A推薦した件数を分母に置く
55%

書類通過 55件 ÷ 推薦 100件

企業に見送られた案件も、企業が受理しなかった案件も、すべて分母に入る

分母B企業が応募として受理した件数を分母に置く
68.8%

書類通過 55件 ÷ 受理 80件

推薦したが企業が選考に載せなかった20件が分母から外れ、通過率は高く出る

差は13.8ポイント。改善したのではなく、数え方を変えただけで動いた分です。CAごとに分母の定義がずれていると、 通過率という指標そのものが比較できなくなります。

図1:分母の取り方で書類選考通過率は変わる(数値は説明用の例示値であり、実測値・推奨値ではない)

図のとおり、分母の取り方だけで13.8ポイント動きます。これは改善ではなく数え方の違いです。CAごとに分母がずれていると、通過率という指標そのものが比較できなくなり、「誰の推薦が通っていないのか」という議論が成立しません。まず社内で1つの定義に固定してください。おすすめは「推薦した件数」を分母に置く定義です。企業が選考に載せなかった案件も、こちらの推薦判断の結果として引き受けるほうが、改善の対象が広く取れます。

「書類選考通過率」と「決定率」「内定承諾率」は別の指標

同じ「通過率」でも、分母と分子が違えば測っているものが違います。書類選考通過率が測るのは推薦の精度です。一方、決定率(推薦から決定に至った割合)は選考プロセス全体の総合力を、内定承諾率(承諾数÷内定数)は意思決定を支える力を測ります。分母が違うため、改善の打ち手もまったく別物です。書類通過率が低いなら求人理解と推薦の質を、内定承諾率が低いなら条件のすり合わせとクロージング設計を疑う。この2つを「歩留まりの問題」とひとまとめにすると、直すべき場所を取り違えます。内定以降の局面は内定承諾率とは|計算式と60〜65%の目安・辞退理由別の打ち手・回答期限の設計で扱っています。

書類選考通過率の平均はあるのか——公的統計と、目安として使える数字

結論から言うと、書類選考通過率の「業界平均」を示す公的統計は存在しません。厚生労働省が毎年公表する職業紹介事業報告書の集計結果は、新規求職申込件数・求人数・就職件数・手数料収入を集計したものであり、選考段階ごとの通過率という項目そのものがありません(出典: 厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」)。つまり「業界平均◯%」と書かれた数字を見かけたら、それは公的統計ではなく、特定の事業者・メディアが提示する目安か、特定サービスの利用者データです。

そのうえで、実務の基準線として使える数字が2つあります。測っている分母がまったく違うので、この2つを並べて比較してはいけません。

測り方分母 ÷ 分子数字出典使いどころ
紹介会社の推薦ベース(本記事の主題)推薦数 ÷ 書類通過数少なくとも50%、できれば70〜80%PORTERS「人材紹介業で成果を出すKPI管理の方法とは?」自社の推薦精度を評価する基準線
求職者本人の応募ベース(toC)書類通過数 ÷ 本人の全応募数37.3%(平均応募13.6件・通過5.1件/n=500)マイナビ「転職活動実態調査(2025年)」求職者に「何社受ければよいか」を説明する材料
公的統計該当項目なし厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」業界平均としては使えない

紹介会社の推薦ベースの目安が求職者の応募ベースより高いのは、当然といえば当然です。求職者本人の応募には、要件を満たしていない企業への「とりあえず応募」が含まれます。一方、紹介会社の推薦は、CAが求人要件と求職者を突き合わせたうえで送っている前提です。事前にスクリーニングしている分だけ、通過率は高くなければ理屈が合いません。逆に言えば、推薦ベースの通過率が求職者の直接応募と変わらない水準まで落ちているなら、それはスクリーニングが機能していないというサインです。

求職者本人の応募ベースの数字(求職者の方向け)

求職者ご本人で「自分の書類は通っているほうなのか」を知りたい場合の目安がこちらです。2024年7月〜2025年6月に転職活動を行い転職した500人への調査では、書類選考通過率は37.3%でした。平均応募数は13.6件、そのうち書類選考を通過したのは5.1件です(出典: マイナビ「転職活動実態調査(2025年)」/調査期間2025年7月10日〜15日・インターネット調査)。同調査では年代・性別によって通過率が大きく異なることも示されています。3社に1社強しか通らないのが平均的な姿であり、数社落ちた程度で市場価値を疑う必要はない、という読み方ができます。

※上記2つの数字は、いずれも公的統計ではありません。PORTERSの数値は同社が示す実務上の目安、マイナビの数値は同社の自主調査(n=500)の結果です。事業モデル(ハイクラス/若手、専門特化/総合)、求人の性質、企業との関係の深さで適正値は変わります。他社の数字は基準線として使い、最終的には自社の過去実績(前月比・前年比)を基準にしてください。本記事では、出典で確認できない構成比・平均値は図表にも本文にも置いていません。

正しい測り方——どの単位で、どの期間で見るか

分母を固定したら、次は「どの単位で見るか」を決めます。全社の平均値だけを見ていると、改善のとっかかりが掴めません。全社の通過率が60%でも、その内訳がCA別に35%と85%に割れているなら、直すべきは全社施策ではなく特定のCAの推薦の型です。

見る単位分かること外れているときの読み方
CA別推薦の型が個人でどれだけばらついているか低いCAの推薦文と求人理解に原因がある可能性が高い
求人別・企業別その求人の要件を正しく掴めているか特定企業だけ低いなら、企業の選考基準の把握が不足している
職種別自社が強い領域と、無理をしている領域特定職種だけ低いなら、その領域の求人選定を見直す
求職者の獲得チャネル別母集団そのものの質特定チャネルだけ低いなら、集客の要件定義から見直す
月次推移基準の変化や市況の影響全体が同時に落ちたなら、個人ではなく外部要因や運用変更を疑う

期間の取り方にも注意が必要です。書類選考には結果が返るまでのタイムラグがあります。今月推薦した案件の結果が来月返ってくる以上、「今月推薦した件数」を分母に、「今月結果が返った件数」を分子に置くと、実態とずれた数字になります。推薦した案件を起点に、その案件の結果が確定してから集計するのが原則です。母数が少ない月は数字が跳ねやすいため、月次に加えて四半期の移動平均を見ておくと判断を誤りにくくなります。

もう1つ、忘れられがちなのが「未回答」の扱いです。推薦したまま企業から結果が返ってこない案件を、通過でも見送りでもない状態で放置すると、分母から静かに消えていきます。これは通過率を実態より高く見せます。一定期間で督促し、それでも返らないものは見送り扱いとするルールを決めておくと、数字が現実に近づきます。

通過率が低い原因を4つに分解する

通過率が目安を下回っているとき、「推薦の質が低い」で片付けても改善は始まりません。実務上、書類で落ちる原因は次の4つに整理できます。原因ごとにサインも打ち手もまったく異なるため、この切り分けが改善の土台になります。

求人理解の不足

求人票の文字面だけで推薦し、企業が実際に何を見ているかを掴めていない

サイン
同じ企業に何度推薦しても通らない/見送り理由が毎回違う
打ち手
RA経由で採用背景と過去の通過者・見送り者を聞き取る
推薦文の質

経歴の要約に終始し、この求人の要件にどう当てはまるかが書かれていない

サイン
職務経歴書は良いのに書類で落ちる/推薦文がCAごとに長さも構成もバラバラ
打ち手
求人の要件ごとに「該当する経験」を対応づけて書く型を決める
ターゲットのずれ

決定率よりも推薦数を優先し、要件から外れた求職者まで送っている

サイン
推薦数は多いのに通過数が伸びない/通過率がCA別に大きく割れる
打ち手
推薦前に必須要件のチェックを挟み、外れる案件は送らない
企業側基準の未確認

企業の選考基準や社内フローが変わったのに、こちらの推薦が前提のまま

サイン
従来通過していた層が急に落ち出す/書類選考の返答が遅くなる
打ち手
見送り理由を毎回ヒアリングし、基準の変化を求人情報に反映する
図2:書類選考通過率が低いときに疑う4つの原因。サインと打ち手が原因ごとに異なるため、まず切り分ける。構成比は公開統計が乏しいため置いていない(自社で記録して測る)

この4つは独立ではなく、しばしば連鎖します。求人理解が浅いままだと、要件に対して何を書けばよいか分からないので推薦文も薄くなり、結果としてターゲットの選定もぶれる——という流れは典型です。だからこそ原因を1つに決めつけず、見送り理由の記録を並べて「どの原因のリスクが高いか」を見立てることが大切です。見送りが発生した時点で原因の類型をひとつ選んで記録する運用を入れるだけで、3ヶ月もすれば自社の分布が見えてきます。

※原因の構成比(どの原因が何%を占めるか)を示す公開統計は確認できませんでした。「一番多いのは推薦文の質」といった断定はできないため、本記事では構成比を置いていません。自社で記録して測ってください。

原因別の打ち手——求人理解・推薦文・推薦前チェック・見送り理由

原因を4つに分けたら、それぞれに対応する打ち手を用意します。共通するのは「推薦してから慌てるのでは遅い」という点です。書類選考通過率の打ち手は、推薦する前に仕込んでおくものです。

求人理解の不足:文字面ではなく、採用背景と選考実績を掴む

求人票に書かれている要件は、企業が採用したい人物像の一部でしかありません。なぜこのポジションを募集しているのか(欠員補充なのか増員なのか)、過去に誰を採用し、誰を見送ったのか、社内の誰が書類を見るのか——ここまで掴めているかどうかで、推薦の精度は変わります。両手型なら自分で、分業型ならRA経由で、「この求人で過去に通った人・落ちた人の傾向」を必ず聞き取る。これが最も効果の大きい情報です。

求人票そのものの記載精度も効いてきます。企業から受け取った求人票の必須項目が埋まっていない、あるいは「変更の範囲」のような法定の明示事項が曖昧なままだと、要件の解像度が上がりません。求人票に何を書くべきかは求人票の書き方・テンプレート|必須項目と「決まる求人票」の作り方にまとめています。

推薦文の質:経歴の要約ではなく、要件との対応づけを書く

通らない推薦文の典型は、職務経歴書を短くまとめただけのものです。企業の書類選考担当者が知りたいのは「この人が誰か」ではなく「この求人の要件に、この人のどの経験が当てはまるのか」です。求人の必須要件・歓迎要件を箇条書きに分解し、それぞれに対して該当する経験を対応づけて書く。要件を満たしていない項目があるなら、隠さずに補える根拠(近接領域の経験、学習意欲、実績の再現性)を添える。この型を社内で決めてしまえば、CAごとの品質のばらつきは大きく縮みます。

なお、推薦文は書類選考の通過だけを目的にした文書ではありません。求職者本人の同意なく事実と異なる内容を書けば、面接での齟齬として跳ね返り、企業との信頼を損ないます。盛るのではなく、埋もれている事実を要件の言葉に翻訳するのが推薦文の役割です。

ターゲットのずれ:推薦前チェックを1枚挟む

推薦数のKPIだけを追わせると、要件から外れた求職者まで送る力学が働きます。数を送れば通過数の絶対値は増えるかもしれませんが、通過率は下がり、企業からの信頼も削れます。推薦前に必須要件のチェックを挟み、外れる案件は送らない。このルールを入れると一時的に推薦数は減りますが、図3のとおり通過率が上がれば必要推薦数そのものが減るため、面接数は落ちません。

推薦数と通過率のどちらを先に手当てするかは、現状の水準で決めます。通過率が目安(少なくとも50%)を下回っているなら、まず通過率です。そこを直さずに推薦数を増やすと、企業に見送られる案件が増えるだけで、企業との関係を消耗します。逆に通過率が70〜80%に届いているのに決定数が足りないなら、律速は推薦数の側にあります。

企業側基準の未確認:見送り理由を毎回ヒアリングする

書類選考の結果が「見送り」で終わり、理由を聞かないまま次の推薦に移る——これが最ももったいない運用です。見送り理由は、その企業の選考基準を教えてくれる唯一の一次情報です。「経験年数が足りなかった」なのか「マネジメント経験を重視している」なのか「実は募集要件が変わった」なのかで、次に送るべき人がまったく変わります。理由を聞き、求人情報に反映し、次の推薦に活かす。この循環が回っているチームと回っていないチームでは、半年後の通過率に大きな差がつきます。

従来通過していた層が急に落ち出したときは、こちらの推薦ではなく企業側が変わった可能性を疑います。組織変更、採用予算の変更、選考担当者の交代——どれも書類選考の基準を動かします。通過率の急落は、企業側の状況を聞きに行くタイミングを教えてくれるアラートでもあります。

CAごとのばらつきを仕組みで潰す

ここまでの打ち手を「気づいたCAが、覚えている範囲でやる」運用に任せると、繁忙期に必ず崩れます。書類選考通過率を安定させるには、推薦の記録と結果を同じ場所に揃え、ばらつきを見えるようにするプロセスが要ります。

そもそも通過率がCA別・求人別に出せていないチームは少なくありません。推薦はメールで、結果は口頭で、記録は各自のスプレッドシートで——という状態だと、集計そのものに工数がかかり、月次で振り返る前に次の月が来ます。測れていない指標は改善できないという原則がそのまま効いてくる領域です。

面接に10人送るために必要な推薦数(=10 ÷ 書類選考通過率、小数点以下切り上げ)

通過率 40%
25
通過率 50%
20
通過率 60%
17
通過率 70%
15
通過率 80%
13

通過率が40%から70%へ上がると、同じ面接10件に必要な推薦は25件から15件へ。推薦文の作成・企業への打診・日程調整を10件分やらずに済む、という読み方をする

図3:書類選考通過率が必要推薦数に効く度合い(通過率以外の条件を一定とした計算例。実測値ではない)

図3のとおり、通過率は上流の工数をそのまま節約する指標です。同じ面接10件をつくるのに、通過率40%なら推薦が25件必要ですが、70%なら15件で足ります。推薦10件分の推薦文作成・企業への打診・日程調整がまるごと不要になる、という意味です。母集団を増やして推薦数を積むより、通過率を数ポイント動かすほうが安く効くケースは珍しくありません。

人材紹介向けCRM/MAのEmproは、この「記録から改善へ」の流れを1つの基盤で支えます。求職者・求人情報を一元管理し、求職者への求人推薦状況を一目で確認できるため、誰がどの求人に誰を推薦し、その結果がどうだったかが同じ画面に残ります。

  • 求人・求職者情報の一元管理求職者と求人を紐づけて管理し、求職者への求人推薦状況を一目で確認できます。推薦の記録が個人のファイルに散らず、集計の起点になります。
  • 選考ステータス管理推薦・書類選考・面接・内定という各段の進捗を時系列で可視化します。結果が返っていない案件が滞留していないかを、記憶ではなく画面で追えます。
  • メール・LINEの一元管理企業とのやりとりも求職者とのやりとりも同じ場所に集約されます。見送り理由のヒアリング結果が、担当者の受信箱で終わりません。
  • KPIダッシュボード・分析面談数・紹介数・成約率などのKPIをリアルタイムに可視化します。通過率をCA別・求人別に継続的にモニタリングする土台になります。
数字に現れるサイン疑うべき原因その場で取る行動
特定CAだけ通過率が低い推薦文の質・求人理解そのCAの推薦文を数件レビューし、要件との対応づけを確認する
特定企業だけ通過率が落ちた企業側基準の変化RA経由で採用背景と選考担当の変更有無を確認する
推薦数は増えたが通過数が横ばいターゲットのずれ推薦前の必須要件チェックを再徹底する
全社的に同時に落ちた外部要因・運用変更市況・求人構成・集計ルールの変更がなかったかを先に確認する
結果未回答の案件が滞留している測定そのものの不備督促のルールと、未回答の扱い(何日で見送り扱いか)を決める

最後に、書類選考通過率だけを最大化しようとしないことです。要件に完全に合致する求職者しか推薦しなければ通過率は上がりますが、推薦数が細り、決定数は減ります。見るべきは通過率単体ではなく、推薦数×通過率×面接通過率×内定承諾率の掛け算です。ファネル全体の設計は人材紹介のKPI管理 完全ガイドで、1件あたりの売上をどう設計するかは決定単価とは|人材紹介の1成約あたり売上を設計する考え方と上げ方で扱っています。

よくある質問

Q. 書類選考通過率とは何ですか?計算式を教えてください。

A. 書類選考通過率とは、企業へ推薦した件数のうち書類選考を通過した件数の割合を指す指標です。計算式は「書類選考通過数 ÷ 推薦数」。分母を「CAが推薦した件数」に置くか「企業が応募として受理した件数」に置くかで数字が変わるため、社内で定義を1つに固定してから測ることが前提になります。

Q. 書類選考通過率の平均・目安はどのくらいですか?

A. 紹介会社の推薦ベースでは、少なくとも50%、できれば70〜80%が目安とされます(出典: PORTERS「人材紹介業で成果を出すKPI管理の方法とは?」)。ただし公的統計に業界平均は存在しません。厚生労働省の職業紹介事業報告書の集計結果は件数と手数料の集計で、選考段階ごとの通過率という項目自体がないためです。

Q. 求職者本人の応募だと、書類選考の通過率はどのくらいですか?

A. 2024年7月〜2025年6月に転職した500人への調査では37.3%でした(平均応募13.6件・書類通過5.1件/出典: マイナビ「転職活動実態調査(2025年)」)。これは求職者本人の全応募を分母にした数字で、CAが要件を確認したうえで送る紹介会社の推薦ベースとは分母が異なるため、直接比較はできません。

Q. 書類選考通過率が50%を切ったら、どこから直せばよいですか?

A. 原因を4つに切り分けます。①求人理解の不足(採用背景と過去の通過者・見送り者を聞けているか)②推薦文の質(要件と経験を対応づけて書けているか)③ターゲットのずれ(要件から外れた推薦を送っていないか)④企業側基準の未確認(見送り理由をヒアリングしているか)。まず見送り理由の記録を並べ、どの原因が多いかを確かめてから手を入れます。

Q. 推薦数を増やすのと、通過率を上げるのはどちらが先ですか?

A. 通過率が目安(少なくとも50%)を下回っているなら通過率が先です。そこを直さずに推薦数を増やすと、企業に見送られる案件が増えて信頼を消耗します。通過率が70〜80%に届いているのに決定数が足りない場合は、律速が推薦数の側にあるため、母集団形成に投資します。

Q. 書類選考通過率はどの単位で見るべきですか?

A. 全社平均だけでは改善のとっかかりが掴めないため、CA別・求人別(企業別)・職種別・獲得チャネル別・月次推移の5つで分解します。全社60%でもCA別に35%と85%へ割れているなら、直すべきは全社施策ではなく特定のCAの推薦の型です。母数が少ない月は数字が跳ねるため、四半期の移動平均も併せて見ます。

推薦と選考結果を、同じ画面に残す

Emproは人材紹介特化のCRM/MAです。求職者・求人情報の一元管理と推薦状況の可視化、選考ステータスの時系列管理、メール・LINEの一元管理、KPIダッシュボードまでを1つの基盤で回せます。

関連記事