求人票とは、求人企業が募集している仕事の内容と労働条件を、求職者に対して示すための書面です。人材紹介では、紹介事業者が職業紹介を行うにあたって求職者に労働条件を明示する義務を負い(職業安定法5条の3第1項)、その求人票の元になる条件は求人企業が申込みの時点で紹介事業者に明示します(同条第2項)。明示すべき事項は省令で具体化されており、①業務の内容(変更の範囲を含む)②契約期間 ③試用期間 ④有期契約の更新基準(更新上限を含む)⑤就業場所(変更の範囲を含む)⑥労働時間・休憩・休日 ⑦賃金 ⑧社会保険の適用 ⑨雇用主の名称 ⑩受動喫煙対策の10項目です(同法施行規則4条の2第3項。派遣労働者として雇用する場合はその旨も加わります)。このうち「変更の範囲」と「更新上限」は2024年4月に追加された項目で、旧フォーマットのまま使っている求人票は現在の基準を満たしません。
求人票は、紹介会社の商品そのものです。同じ求人でも、書き方ひとつで推薦の通り方も、求職者の反応も変わります。にもかかわらず、多くの紹介会社で求人票のフォーマットは担当者ごとにばらついていて、「前に作ったファイルをコピーして書き換える」運用のまま止まりがちです。
そのやり方が危ういのは、見た目が揃わないからではありません。2024年4月に明示事項が増えており、それ以前に作ったひな形を使い回すと、法令が求める項目が単純に欠けるからです。まずは必須項目を落とさない土台を作り、そのうえで「決まる求人票」の書き方を乗せる——本記事はこの順で進めます。
扱うのは、必須項目のチェックリスト、そのまま転記して使える項目と記入例、求人票と労働条件通知書の違い、応募と推薦につながる5つの観点、避けるべき表現、そしてフォーマットを社内で揃える方法です。人材紹介の立ち上げそのものについては人材紹介会社の始め方にまとめており、本記事はその後に毎日発生する実務の側を扱います。
求人票とは|法令で決まっている必須項目
求人票とは、求人企業が募集している仕事の内容と労働条件を、求職者に対して示すための書面です。採用が決まったあとに交わす契約書ではなく、応募するかどうかを判断してもらうために、募集の段階で提示するものにあたります。紙かデータかは問われず、フォーマットも法定の様式があるわけではありません。決まっているのは書式ではなく、書くべき中身です。
人材紹介の場合、明示の義務を負う相手が2方向にあります。職業紹介事業者は、職業紹介にあたって求職者に対し、従事すべき業務の内容および賃金・労働時間その他の労働条件を明示しなければなりません(職業安定法5条の3第1項)。一方で求人企業の側にも、求人の申込みにあたって紹介事業者に対して同じ内容を明示する義務があります(同条第2項)。つまり求人票づくりは、企業から受け取った条件を紹介会社が求職者向けに整えて渡す、という二段構えの中にあります。
明示しなければならない10の事項
明示すべき事項の中身は、職業安定法施行規則4条の2第3項が号立てで定めています。条文の並びのまま整理すると次のとおりです。
求人票に必ず明示する事項
★ = 2024年4月に追加
- 1
業務の内容★
従事すべき業務の内容。変更の範囲を含む
- 2
契約期間
労働契約の期間に関する事項
- 2-2
試用期間
試みの使用期間に関する事項
- 2-3
更新の基準★
有期契約を更新する場合の基準。通算契約期間または更新回数の上限があればその上限を含む(有期契約の場合のみ)
- 3
就業場所★
就業の場所。変更の範囲を含む
- 4
労働時間
始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日
- 5
賃金
賃金の額(臨時に支払われる賃金・賞与等を除く)
- 6
社会保険
健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険の適用に関する事項
- 7
雇用主
労働者を雇用しようとする者の氏名または名称
- 9
受動喫煙対策
就業の場所における受動喫煙を防止するための措置
派遣として雇う場合のみ、もう1項目
労働者を派遣労働者として雇用しようとする旨(第8号)。派遣以外の求人では対象外のため、上の一覧からは外している。
2024年4月に増えた3つの項目
上の図で★を付けた3点は、2024年4月1日施行の改正省令で加わったものです。改正前後の条文を並べると、追加されたのは①業務の内容に「従事すべき業務の内容の変更の範囲」を含めること ②就業の場所に「就業の場所の変更の範囲」を含めること ③有期労働契約を更新する場合の基準に「通算契約期間または更新回数の上限」を含めることの3点でした(改正前の職業安定法施行規則4条の2第3項には、これらの括弧書きと第2号の3自体が存在しません)。
実務上ひっかかりやすいのは「変更の範囲」です。これは入社直後の配属や業務内容だけでなく、その雇用契約の期間中に将来ありうる範囲まで書くという趣旨の項目です。「営業職(変更の範囲:会社の定める業務)」のような書き方も見かけますが、範囲を無限定にする表現は、求職者にとって情報として機能しません。企業に確認して現実的な範囲を書き取るところまでが、紹介会社側の仕事になります。
求人票テンプレート|項目と記入例
必須項目を落とさないための土台として、求人票に置く項目と記入の粒度を一覧にします。左の列をそのまま自社のフォーマットの項目名として使えるように並べました。記入例は書き方の粒度を示すための例示であり、特定の企業や実在の求人の条件ではありません。
| 項目 | 記入例(粒度の目安) | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 雇用主の名称 | 株式会社◯◯(本社所在地:東京都◯◯区) | 必須項目。紹介段階で社名を伏せる場合も、明示のタイミングを社内で決めておく |
| 職種名 | 法人営業(既存顧客中心・SaaS) | 社内呼称のまま書くと伝わらない。「◯◯推進担当」等は一般名に翻訳する |
| 業務の内容 | 既存顧客20〜30社への提案・契約更新。商談の8割はオンライン。新規開拓は担当外 | 「営業全般」で終わらせない。1日の時間配分まで書けると解像度が上がる |
| 業務の変更の範囲 | 法人営業およびカスタマーサクセス業務(他部門への配置転換の可能性あり) | 2024年4月に必須化。「会社の定める業務」だけの記載は情報として機能しない |
| 契約期間 | 期間の定めなし(試用期間3か月・条件変更なし) | 試用期間中に条件が変わる場合は、期間中と期間後の両方を示す必要がある |
| 更新の基準(有期の場合) | 契約期間1年・更新あり(通算上限5年)。更新は勤務成績と業務量により判断 | 2024年4月に必須化。上限がある場合は必ず書く。上限が無いなら無いと書く |
| 就業の場所 | 東京本社(東京都◯◯区)。週2日まで在宅勤務可 | リモート可否は求職者の意思決定に直結する。可否と頻度を分けて書く |
| 就業場所の変更の範囲 | 本社および国内支社(札幌・名古屋・大阪) | 2024年4月に必須化。転勤の有無を求職者が判断できる粒度にする |
| 労働時間 | 9:00〜18:00(休憩60分)/フレックス(コアタイム11:00〜15:00)/所定外労働 月平均20時間 | 所定労働時間を超える労働の有無は必須。実績値を書けるなら企業に確認して書く |
| 休日・休暇 | 完全週休2日(土日)・祝日・年末年始/年次有給休暇 初年度10日 | 「週休2日」と「完全週休2日」は別物 |
| 賃金 | 月給32万〜42万円(固定残業代45時間分・6万2,000円を含む/超過分は別途支給) | 固定残業代を含む場合は時間数と金額、超過分の扱いまで書く |
| 賞与・昇給 | 賞与年2回(前年度実績:年間2.5か月)/昇給年1回 | 賞与は明示義務の対象外だが、書くなら「実績」か「見込」かを区別する |
| 社会保険 | 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険 完備 | 4つとも適用の有無を示す。「社保完備」のみだと不足する場合がある |
| 受動喫煙対策 | 屋内禁煙(屋外に喫煙専用室あり) | 必須項目。抜けやすいので、フォーマットに固定の欄を作っておく |
| 選考プロセス | 書類選考 → 1次面接(現場マネージャー)→ 最終面接(役員)/内定まで平均3週間 | 明示義務の対象外だが、応募判断と推薦の通し方に効く |
スプレッドシートで運用するなら「1求人1行」にする
無料で始めるなら、Excelやスプレッドシートで作るのが現実的です。このとき、求人1件を1枚のシートにするのではなく、1行にするほうが後で効きます。項目を列にして横に並べておけば、条件での絞り込みも、抜けている項目の検出も、フィルタひとつでできます。求人ごとにシートを分けると、その瞬間から「どの求人の受動喫煙対策が空欄か」を人間が目で探すことになります。
- 必須項目の列は固定し、削除できないようにする:上の表の項目を列として持ち、担当者が自由に列を足し引きできない状態にします。列が可変だと、数か月で担当者ごとに違うシートに分岐します。
- 「変更の範囲」を業務・場所それぞれの隣の列に置く:本体の項目から離すと必ず埋め忘れます。業務内容の右に業務の変更の範囲、就業場所の右に就業場所の変更の範囲を置くのが、記入漏れがいちばん起きにくい並びです。
- 自由記述は最後にまとめる:訴求文やアピールポイントを途中に挟むと、必須項目の一覧性が落ちます。左が法定項目、右が訴求という並びにしておくと、チェックが目視でできます。
- 更新日と確認者を残す:求人の条件は動きます。誰がいつ企業に確認した内容なのかが分からない求人票は、推薦の直前に必ず作業が発生します。
求人票・募集要項・労働条件通知書の違い
実務で混同されやすいのが、求人票・募集要項・労働条件通知書の3つです。名前が似ているうえ書いてある内容も重なるため、「同じものの呼び方違い」と扱われがちですが、出す人・受け取る人・根拠になる法律がそれぞれ違います。
両者は「同じ内容の書類の呼び名違い」ではない。出す人・受け取る人・根拠法が別で、 求人票は募集の入口、労働条件通知書は契約の入口にある。当初の求人票から条件が変わったまま契約に進むと、 その間に変更明示の義務が挟まる。
| 比較軸 | 求人票 | 募集要項 | 労働条件通知書 |
|---|---|---|---|
| 出す人 | 求人企業(紹介事業者が求職者向けに明示) | 募集を行う者(企業・媒体掲載元) | 雇用主 |
| 受け取る人 | 求職者 | 応募を検討している人一般 | 採用する労働者本人 |
| タイミング | 募集・紹介の段階 | 募集の段階 | 労働契約の締結時 |
| 主な根拠 | 職業安定法5条の3第1項・第2項、同法施行規則4条の2第3項 | 職業安定法5条の3第1項(労働者の募集を行う者も名宛人) | 労働基準法15条1項 |
| 位置づけ | 応募するかどうかを判断してもらうための情報 | 求人票とほぼ同じ内容を、媒体掲載向けに整えたもの | 成立した労働契約の条件を確定的に伝えるもの |
| 内容が変わったら | 変更明示の義務が生じる(職業安定法5条の3第3項) | 同左 | 契約の内容そのもののため、変更には合意が要る |
紹介会社にとって実務上いちばん重いのは、表のいちばん下の行です。求人票で示した条件と、実際に契約する条件がずれる場合、求人者は契約を結ぼうとする相手に対して、変更後の内容を改めて明示しなければなりません(職業安定法5条の3第3項)。省令はこの「変更」に、当初示した範囲内で条件を特定する場合、示した条件を削除する場合、条件を追加する場合を含めています(同法施行規則4条の2第1項)。年収レンジの下限で着地したケースも、ここに含まれます。
条件のズレが承諾率にどう効くか、内定局面でどう扱うかは内定承諾率とは|計算式と60〜65%の目安・辞退理由別の打ち手で詳しく扱っているため、本記事では繰り返しません。求人票の側で言えることは1つです。最初に書いた条件の精度が低いほど、あとで変更明示が発生する。求人票を丁寧に作ることは、契約直前の手戻りを減らす作業でもあります。
「決まる求人票」の書き方5つの観点
必須項目を満たしただけの求人票は、法令上は問題なくても、求職者を動かしません。ここからは、応募と推薦につながる求人票にするための観点を挙げます。数値目標として測れる領域ではないため、実務上そう扱われることが多い、という水準で読んでください。
- ① 業務内容は「1日の時間の使い方」まで降ろす:「法人営業」だけでは、求職者は自分がその仕事をしている姿を想像できません。担当社数、新規と既存の比率、商談がオンラインか訪問か、資料作成やレポートにどれくらい時間を使うか。ここまで書けると、応募の判断だけでなく、面接での期待値ズレも減ります。企業へのヒアリングで最初に取りに行くべき情報です。
- ② 求める要件を「必須」と「歓迎」に分ける:要件を並列に並べると、求職者は全部を満たさないと応募できないと受け取ります。必須要件を絞り、それ以外を歓迎要件に落とすだけで、母集団の広さが変わります。紹介会社にとっては、必須と歓迎の線引きが、そのまま推薦してよい範囲の定義にもなります。
- ③ 訴求点は「この会社でしか言えないこと」に絞る:「風通しの良い社風」「成長できる環境」は、どの求人票にも書ける以上、何も言っていないのと同じです。導入している顧客の業種、開発しているプロダクトの段階、チームの人数構成、直近で入社した人の前職。具体的な事実に置き換えられるものだけを残します。
- ④ ネガティブ情報を先に開示する:転勤の可能性、繁忙期の残業、立ち上げ期ゆえの体制の薄さ。隠しても選考の途中で必ず出てきて、そこで辞退になります。求人票の段階で書いておくと、そこを許容できる人だけが応募するため、結果的に決定率が上がります。ネガティブ情報を書ける求人ほど、企業との関係が作れている求人でもあります。
- ⑤ 選考プロセスと所要期間を書く:明示義務の対象ではありませんが、在職中の求職者にとっては応募可否を左右する情報です。面接の回数、面接官の役職、内定までの目安期間を書いておくと、日程調整の往復も減ります。
書いてはいけない表現と、その言い換え
求人票には、法令上そもそも書けない条件があります。募集・採用の段階で性別や年齢による制限をかけることは、原則として認められていません。
| 書けない・避けたい表現 | 理由 | 書き換えの方向 |
|---|---|---|
| 「営業マン募集」「女性歓迎」 | 事業主は募集および採用について性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない(男女雇用機会均等法5条) | 「営業職」等の性別を含まない職種名にする。職場の男女比を事実として書くのは可 |
| 「35歳まで」「若手歓迎」 | 募集・採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保が求められる(労働施策総合推進法9条)。年齢制限が認められるのは省令で定める例外に限られる | 求める経験年数やスキルで書く。例外に該当して制限する場合は、その理由を示す |
| 「アットホームな職場」「やりがいのある仕事」 | 法令違反ではないが、どの求人にも書けるため情報量がゼロ | チーム人数・評価制度・扱うプロダクトなど、検証できる事実に置き換える |
| 「月給40万円」(固定残業代を含むのに明記なし) | 賃金の額は明示事項(職業安定法施行規則4条の2第3項第5号)。実態と異なる提示は虚偽の条件の提示にあたりうる | 基本給と固定残業代を分け、含まれる時間数と超過分の扱いを書く |
| 実際には募集していない好条件求人の掲載 | 虚偽の広告・虚偽の条件の提示による職業紹介は罰則の対象(職業安定法65条9号) | 掲載を止める。求人のクローズを検知できる運用にする |
求人票を作る担当と、求職者に説明する担当が分かれている場合、この線引きは両者で共有しておく必要があります。RAとCAの役割分担についてはRA・CAとは|役割の違いと、両面型・分業型の使い分けで整理しています。
法令上の注意|正確さを保つ義務は掲載後も続く
求人票をめぐる法令上の義務は、作った時点で終わりません。内容を正確かつ最新に保つための措置を講じる義務が、掲載している間ずっと続きます。
職業安定法5条の4第1項は、職業紹介事業者等が広告等により求人に関する情報を提供するとき、虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならないと定めています。さらに同条第3項は、求人等に関する情報を提供するにあたり、正確かつ最新の内容に保つための措置を講じなければならないとしています。その具体的な中身は施行規則4条の3第4項が定めており、職業紹介事業者については、求人者に対して定期的に情報が最新かどうかを確認するか、情報の時点を明らかにするかのいずれかの措置が求められます。
この「いずれか」という書き方は実務上ありがたい部分で、全求人を毎週電話で確認するといった運用でなくても、求人票に情報の時点(いつ企業に確認した内容か)を明記しておけば要件を満たす構成が取れます。前節で更新日と確認者を列に持つことを勧めたのは、この条文と噛み合うからです。
虚偽の条件の提示には罰則がある
正確さの要求には罰則が伴います。虚偽の広告をなし、または虚偽の条件を提示して職業紹介を行った場合、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が定められています(職業安定法65条9号)。同条10号は求人者の側も対象にしており、虚偽の条件を提示して職業紹介事業者に求人の申込みを行った場合が該当します。募集の実態がない求人を「客寄せ」として掲載し続ける運用は、この条文の射程に入りうるものとして扱うのが安全です。
加えて、明示した労働条件については記録の保存も定められています。求人者は、求職者に対して明示した従事すべき業務の内容等に関する記録を、その職業紹介が終了する日(終了日以降に労働契約を締結しようとする者は、契約を締結する日)までの間、保存しなければなりません(同法施行規則4条の2第7項)。「どの時点でどの条件を示したか」が後から辿れる状態が前提になっている、ということです。
求人票のフォーマットを仕組みで統一する
ここまでの内容は、担当者が1人ならテンプレートファイルで足ります。問題は人が増えたときです。求人票の不備は、たいてい「知らなかった」ではなく「そのときのファイルが古かった」から起きます。明示事項が改正されても、各自の手元にコピーされたファイルは自動では直りません。
解き方は2つあります。ファイルを1か所に集約してそこからしかコピーさせないか、求人票の項目そのものをシステム側の入力項目として持つかです。前者はルールの徹底に依存し、後者は必須項目を空欄のままでは登録できない状態を作れます。求人数が増えて担当が分かれるほど、後者の分がよくなります。
本メディアを運営するEmproは人材紹介会社専用のワンストップ型CRM/MAで、求人票まわりでは次の機能を提供しています。
- 求人情報の一元管理:求人情報を条件で絞り込める形で一元管理し、求人ごとのステータスを持ちます。担当者ごとのファイルではなく、求人が1か所に集まっている状態が土台になります。
- 項目・マスタの自由設計:入力項目・選択肢・マスタを自社の運用に合わせて拡張できます。「変更の範囲」「受動喫煙対策」のように抜けやすい項目を、フォーマット側に固定の欄として持たせられます。
- 求人票ファイルの添付管理:企業から受け取った求人票の原本を求人・企業のレコードに添付して残せます。システム上の項目と、企業が発行した原本の両方を同じ場所に置けます。
- 求人票からの自動入力(AIワークフロー・β版):求人票からOCRとAIで項目を抽出して入力する機能を備えています(データ入力時間を平均80%削減/*β版機能・当社調べ)。企業から届いた求人票を転記する作業がボトルネックになっている場合に効きます。
- 公開求人ページ:認証不要で閲覧できる公開求人ページを生成でき、現状はLINEでの送付用途を主に想定しています。求職者に求人を見せる導線を、求人データと同じ場所から出せます。
できないことも書いておきます。外部の求人媒体やATSから求人データを自動で取り込む同期機能は、現時点で提供している機能ではありません。この領域は順次拡張予定として扱っており、当面は手動での登録またはCSVでの一括取り込みが前提になります。機能の全体像は機能一覧、求人・案件管理まわりの詳細は管理機能のページにまとめています。
なお、企業向けの採用管理システム(ATS)を求人票の管理に転用しようとすると、求人企業をマスタとして持てないところで詰まります。この構造の違いは採用管理システム(ATS)と人材紹介CRMの違いで扱っています。
よくある質問
Q. 求人票に必須の項目は何ですか?
A. 職業安定法施行規則4条の2第3項により、①業務の内容(変更の範囲を含む)②労働契約の期間 ③試みの使用期間 ④有期契約を更新する場合の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む・有期の場合のみ)⑤就業の場所(変更の範囲を含む)⑥始業終業の時刻・所定外労働の有無・休憩・休日 ⑦賃金の額 ⑧健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険の適用 ⑨雇用主の氏名または名称 ⑩就業場所の受動喫煙防止措置の明示が必要です。派遣労働者として雇用する場合はその旨も加わります。
Q. 求人票の無料テンプレートはありますか?
A. 法定の様式は定められていないため、決まった公式テンプレートは存在しません。Excelやスプレッドシートで自作でき、費用もかかりません。本記事の「求人票テンプレート|項目と記入例」の表にある項目をそのまま列として並べれば、明示義務を満たす土台になります。求人1件を1行にして項目を列に置くと、記入漏れの検出と条件での絞り込みがフィルタでできます。
Q. 求人票は手書きでもよいですか?
A. 労働条件の明示は原則として書面の交付によって行うため、書面であれば手書きでも要件を満たします。求職者が希望した場合は、ファクシミリまたは電子メール等(受信者が出力して書面を作成できるものに限る)による明示も認められています(職業安定法施行規則4条の2第4項)。ただし実務上は、複数の担当で使い回し、条件の変更履歴を残す必要があるため、データで作るほうが運用に合います。
Q. 求人票と労働条件通知書の違いは何ですか?
A. 求人票は募集の段階で求職者に労働条件を示すもので、根拠は職業安定法5条の3第1項です。労働条件通知書は労働契約を結ぶ時点で雇用主が採用する労働者に交付するもので、根拠は労働基準法15条1項です。出す人・受け取る人・タイミング・根拠法がいずれも異なります。求人票で示した条件と契約時の条件がずれる場合は、その間に変更明示の義務が生じます(職業安定法5条の3第3項)。
Q. モデル年収や固定残業代を書くときの注意点は何ですか?
A. 賃金の額は明示事項のため、実態と異なる金額の提示は虚偽の条件の提示にあたりうる点に注意が必要です(職業安定法65条9号は、虚偽の広告や虚偽の条件の提示による職業紹介に6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金を定めています)。固定残業代を含む金額を提示する場合は、基本給と固定残業代を分け、含まれる時間数・金額・超過分を別途支給するかまで記載します。賞与は明示義務の対象外ですが、書くなら実績値か見込かを区別してください。
