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採用管理システム(ATS)と人材紹介CRMの違い|紹介会社が選ぶべきはどちらか

執筆:宮崎将成(株式会社エボルグ 代表取締役

公開日:2026-09-01 ・読了目安:11

採用管理システム(ATS=Applicant Tracking System)は、求人企業が自社の採用選考で応募者を管理するためのシステムです。人材紹介CRMは、人材紹介会社が求職者と求人企業の双方を管理するためのシステムです。違いは機能の多寡ではなく、前提にしているデータの形にあります。企業向けATSは「自社という1社の求人に、多数の応募者がぶら下がる」1対多の構造を前提とし、人材紹介CRMは「複数の求人企業 × 複数の求職者」を推薦で結ぶ多対多の構造を前提とします。加えて人材紹介会社には、求人求職管理簿・手数料管理簿の備付け(職業安定法32条の15、同法施行規則24条の7第1項)など、企業の自社採用には存在しない記録義務があります。したがって紹介会社の業務は企業向けATSでは閉じず、人材紹介に特化したCRMが選択肢になります。

「採用管理システム」で検索すると、企業の採用担当者向けの製品比較がずらりと並びます。人材紹介会社の立場で読むと、書いてあることの半分は自社に当てはまり、半分は当てはまりません。この居心地の悪さの正体は、同じ「採用」という言葉を使いながら、システムが想定している立ち位置が違うことにあります。

この記事は、その立ち位置の違いをデータの形まで降りて整理します。ATSと人材紹介CRMを比較表で並べ、紹介会社が企業向けATSを選ぶとどこで詰まるのか、逆にATSを使ってよい場面はあるのかまでを扱います。

なお「人材紹介システム/CRM/MAという語彙をどう整理し、どんな軸で選ぶか」という選定の全体像は人材紹介システムの選び方|CRM/MAとの違い・比較の軸・導入手順にまとめてあります。本記事はそこから「ATSとの違い」という1点だけを取り出して深掘りする位置づけです。

採用管理システム(ATS)と人材紹介CRMの違いとは

採用管理システム(ATS)とは、求人企業が自社の採用活動において、応募の受付から選考の進捗、内定までを管理するシステムのことです。求人票の作成、求人媒体や自社採用サイトからの応募の集約、書類選考・面接の進捗管理、社内の面接官との共有といった機能で構成されます。ATSはApplicant Tracking System(応募者追跡システム)の略で、名前のとおり「応募してきた人を追う」ことが出発点になっています。

一方、人材紹介CRMとは、人材紹介会社が求職者と求人企業の双方を管理し、両者を突き合わせて成約に導くためのシステムのことです。求職者の登録・面談履歴、求人企業と求人の管理、どの求職者をどの求人に推薦したかという推薦単位の進捗、成約時の手数料、その後の追客までを扱います。

両者が混同されやすいのは、扱う言葉が重なるからです。どちらも「求人」「候補者」「選考ステータス」を持っています。しかしその言葉が指す中身が違います。ATSにとって「求人」は自社のポジションであり、「候補者」は自社に応募してきた人です。人材紹介CRMにとって「求人」は他社から預かった案件であり、「求職者」は自社に登録している、まだどの企業にも属していない人です。

「採用管理システム」という語は誰の視点で書かれているか

検索結果に並ぶ「採用管理システム比較」の記事は、ほとんどが求人企業の採用担当者に向けて書かれています。そこで評価されている軸は、求人媒体との連携数、応募者への一斉連絡、面接官の日程調整、採用サイトの作成といった項目です。これらは自社が採用する側であることを前提にした軸であり、紹介会社が求人企業を開拓し、預かった求人に求職者を推薦していく業務とは評価軸そのものが噛み合いません。

※用語の揺れについて。人材紹介会社向けの製品でも、自社を「エージェント向けATS」と呼ぶベンダーがあります。逆に、企業向け製品を「採用CRM(候補者との関係管理)」と呼ぶ例もあります。名前だけでは判別できないため、後述する「両面を持てるか」で見分けるのが確実です。

なぜ企業向けATSは紹介会社に合わないのか|データモデルが違う

機能一覧を眺めていると「必要なものは一通りありそうだ」と見えてしまいます。しかし紹介会社が企業向けATSを使おうとして詰まるのは、機能が足りないからではなく、データの持ち方が業務と合っていないからです。ここが本記事のもっとも重要な論点です。

企業の採用(ATSが前提とする構造)

自社1社を頂点に、求人が枝分かれし、その下に応募者がぶら下がる1対多の木構造自社求人A求人B応募者1応募者2応募者3応募者4

採用する企業は「自社」ひとつなので、企業をマスタとして持つ必要がない。線は交差せず、上から下へ流れる。

人材紹介(CRMが前提とする構造)

複数の求人企業と複数の求職者が推薦を介して交差して結ばれる多対多の構造A社の求人B社の求人C社の求人求職者1求職者2求職者3推薦

求人企業も求職者も複数あり、線は交差する。1人が複数社に推薦され、1つの求人に複数人が推薦されるため、「推薦」そのものが記録の単位になる。

図1:企業向けATSと人材紹介CRMが前提にしているデータの形。ATSは自社1社を頂点とする1対多、人材紹介は求人企業と求職者の多対多で、 両者をつなぐ「推薦」が独立した記録になる。

企業向けATSには「求人企業」という概念がない

企業が自社採用に使うATSでは、採用する会社は自分たち1社だけです。だから求人企業をマスタとして管理する発想がそもそもありません。求人は「自社のポジション」として並ぶだけで、その求人がどの会社のもので、担当者は誰で、契約条件はどうなっているか、という情報を持つ場所がないのです。

紹介会社にとってこれは致命的です。求人企業は開拓の対象であり、継続的な取引先であり、手数料率や返戻金の条件が1社ずつ異なる契約相手でもあります。求人企業の情報を残す場所がないシステムでは、結局その部分だけスプレッドシートに逃がすことになり、求人はシステム、企業はシート、契約条件はメールという分断が発生します。

1人の求職者が同時に複数の選考に乗る

もうひとつの断層が、求職者と選考の関係です。企業のATSでは、応募者は「求人Aに応募した人」として登録されます。応募が起点なので、応募者と求人は基本的に1対1で結びつきます。ところが紹介会社では、1人の求職者を同時にA社・B社・C社へ推薦し、それぞれ別のステータスで並行して進めるのが通常の動き方です。A社は書類選考中、B社は1次面接通過、C社は辞退、という状態が同じ求職者に同時に存在します。

これを企業向けATSで再現しようとすると、同じ人を求人の数だけ複製して登録する運用になりがちです。すると連絡先の更新が片方にしか反映されない、面談で聞いた希望条件がどのレコードにあるか分からない、といった事故が起きます。人材紹介CRMが「推薦」を独立した記録として持つのは、この多対多を正しく表現するためです。求職者は1件、求人も1件、その組み合わせごとに進捗が乗る、という構造になります。

担当者が2種類いる

企業の採用では、採用担当者と現場の面接官という役割はあっても、「候補者側の代理人」は社内に存在しません。紹介会社では、法人を担当するRA(リクルーティングアドバイザー)と求職者を担当するCA(キャリアアドバイザー)という利害の向きが異なる2つの担当が同じ案件に関わります。分業しているか兼務しているかにかかわらず、求人には法人側の担当が、求職者には求職者側の担当が紐づき、成約の売上は両者に按分されることもあります。

企業向けATSの権限設計は「採用担当は全件見える、面接官は自分の面接だけ見える」といった一方向の切り方が中心で、この二重の担当構造を前提にしていません。RAとCAの役割分担そのものについてはRA・CAとは|役割の違いと、両面型・分業型の使い分けで詳しく整理しています。

比較表|企業向けATSと人材紹介CRM

ここまでの違いを一覧にします。機能名ではなく「何を管理の単位にしているか」で並べるのが、比較の実用的なやり方です。

比較軸企業向けATS(採用管理システム)人材紹介CRM
主な利用者求人企業の人事・採用担当人材紹介会社のRA・CA・事業責任者
管理の主対象自社の求人と、そこに応募してきた応募者求職者・求人企業・求人・推薦の4つ。どれも一級の記録
求人企業の扱い自社1社のみ。企業マスタという概念がない開拓対象かつ取引先としてマスタで管理。契約条件も企業ごと
求職者と求人の関係1対多(1つの求人に多数の応募者)。応募が起点多対多(1人が複数社に推薦され、1求人に複数人が推薦される)
進捗の単位応募者ごとの選考ステータス推薦(求職者×求人)ごとのステータス。同一求職者に複数が並走
担当者の設計採用担当と面接官。候補者側の担当は存在しない法人担当(RA)と求職者担当(CA)の二重構造。兼務・分業の両方に対応が必要
お金の扱い採用コスト(媒体費・広告費)を支出として見る成功報酬が売上。手数料率・返戻金の条件を企業ごとに保持する必要がある
法令上の記録労働基準法・個人情報保護法などの一般的な義務求人求職管理簿・手数料管理簿の備付け、事業報告書、就職者数や離職者数の情報提供(職業安定法)
決定後のフォロー入社手続き・オンボーディングへ引き継ぐ入社後の定着確認まで続く。無期雇用就職者の6か月以内の離職は情報提供の対象
追客の位置づけ不採用者のタレントプール化(次の募集に向けて)登録済み求職者の掘り起こしが常時の営業活動。休眠が売上に直結する

表を通して見ると、重なっているのは「選考の進捗を管理する」という一点だけだと分かります。紹介会社の業務のうち、企業向けATSでカバーできるのはこの1列だけで、求人企業の管理・推薦の多重進行・手数料・法定の記録は守備範囲の外にあります。

データモデルの話は、突き詰めると設計思想の問題です。しかし人材紹介会社の場合、両面を記録することは好みの問題ではなく、法令上の義務として決まっています。ここが企業の自社採用と決定的に違う点であり、企業向けATSがどれだけ高機能でも代替できない理由です。

職業安定法32条の15は、有料職業紹介事業者に対して「厚生労働省令で定める帳簿書類を作成し、その事業所に備えて置かなければならない」と定めています。その帳簿書類の中身を定めているのが同法施行規則24条の7第1項で、「求人求職管理簿及び手数料管理簿」と明記されています。求人だけでも求職だけでもなく、両方をひとつの帳簿として備えることが求められているわけです。

有料職業紹介事業者に課される記録・報告(企業が自社採用を行う場合には存在しない義務)

  • 求人求職管理簿

    求人と求職の両方を1つの帳簿として備え付ける。事業所ごとの備付けが義務

    職業安定法32条の15/同法施行規則24条の7第1項

  • 手数料管理簿

    手数料に関する帳簿。有料職業紹介事業者にのみ課される(無料職業紹介では求人求職管理簿のみ)

    同法32条の15/同規則24条の7第1項

  • 事業報告書(様式第8号)

    事業所ごとに毎年4月30日までに作成・提出する。求職者の数・手数料の額などを記載

    同法32条の16第1項・2項/同規則24条の8第1項・2項

  • インターネットでの情報提供

    就職者数、無期雇用就職者数、そのうち6か月以内に離職した者の数、平均手数料率、返戻金制度に関する事項

    同法32条の16第3項/同規則24条の8第3項

入社後の追跡まで義務に含まれる

無期雇用で就職した人が6か月以内に離職したかを確認するため、雇用主に対する調査が義務づけられている(同規則24条の8第5項。返戻金制度に基づく集計で代える場合を除く)。 記録は「決まった時点」では終わらない。

図2:人材紹介会社が法令上残さなければならない記録(出典: e-Gov法令検索「職業安定法」32条の15・32条の16/「職業安定法施行規則」24条の7・24条の8)

記録は「決まった時点」で終わらない

さらに、職業安定法32条の16第3項と施行規則24条の8第3項は、有料職業紹介事業者に対してインターネットを利用した情報提供を義務づけています。提供する内容は、紹介により就職した者の数、そのうち無期雇用で就職した者の数、無期雇用就職者のうち6か月以内に離職した者の数、取扱職種ごとの平均手数料率、返戻金制度に関する事項です。

注目したいのは3つ目です。入社した人がその後6か月以内に離職したかどうかを把握しなければならず、そのために雇用主への調査が義務づけられています(施行規則24条の8第5項。返戻金制度に基づいて集計する場合を除く)。成約は記録の終点ではなく、そこから半年間の追跡が続くということです。企業向けATSは入社が決まった時点で人事システムへ引き渡す設計になっており、この期間の記録を持つようにはできていません。

求人も求職も「全て受理」が原則

受け付ける側の義務も両面です。職業安定法5条の6は「求人の申込みは全て受理しなければならない」、5条の7は「求職の申込みは全て受理しなければならない」と定めています(いずれも法令違反の内容である場合など、受理しないことができる例外が列挙されています)。求人と求職の2つの入口を持ち、それぞれの申込みを受け付けて記録する主体であることが、法律上の紹介会社の姿です。企業のATSには「求人の申込みを受理する」という概念自体がありません。

加えて、同法32条の13と施行規則24条の5第1項により、取扱職種の範囲、手数料に関する事項、苦情処理、求人者の情報および求職者の個人情報の取扱い、返戻金制度について、求人者と求職者の双方に明示する義務があります。明示する相手が2種類いる時点で、管理すべき関係者も2種類あることになります。

※事業報告書(様式第8号)の記入項目や提出方法そのものは職業紹介事業報告書の書き方|はじめてでも迷わない様式第8号の記入項目で扱っています。本記事では「その報告に必要なデータを日々どこに残しているか」という観点だけを取り上げています。なお、報告書の作成を自動化する機能を備えるかどうかは製品によって異なるため、帳票の自動生成があるかではなく、1年分を後から集計できる形で記録が残るかを確認するのが実務的です。

紹介会社がATSを使ってよい場面・避けたい場面

ここまで「合わない」と書いてきましたが、紹介会社がATSに触れる場面がまったくないわけではありません。整理しておきます。

  • 自社の採用にはATSでよい紹介会社が自社のRA・CAを採用するときは、立場としては求人企業そのものです。この用途で企業向けATSを使うのは筋が通ります。紹介業務用のCRMと役割が違うので、混ぜて考えないほうが整理しやすくなります。
  • クライアントのATSに入って運用する場合がある採用代行(RPO)を兼ねている場合、クライアント企業のATSに担当者として入り、そちら側で選考を進める運用があります。この場合、記録はクライアントの環境に残るため、自社の求人求職管理簿や事業報告に必要な情報を別途どう残すかを決めておく必要があります。
  • 「エージェント向けATS」を名乗る製品は中身で見る名称にATSと入っていても、求人企業マスタと推薦単位の進捗を持っていれば、実質は人材紹介CRMです。逆に企業向けの製品を紹介業務に転用しようとすると、後述のチェック項目で必ず詰まります。名前ではなく、両面を持てるかどうかで判断します。
  • 併用は二重入力とセットになると覚悟する企業向けATSと人材紹介CRMを併用する構成そのものは可能ですが、求職者データが両方に存在する状態になります。どちらを正とするかを決めずに始めると、更新漏れと突き合わせ工数が常時発生します。

併用によるデータ分断は、ATSに限らず複数ツールを組み合わせるときに共通して起こる問題です。統合型と個別最適のトレードオフ、データ連携をどう見るかという一般論は人材紹介システムの選び方の比較軸で扱っているため、本記事では繰り返しません。

紹介会社向けかどうかを見分けるチェック項目

製品資料や機能一覧を見るときに、そのシステムが紹介会社の構造を前提にしているかどうかを判定するための項目を挙げます。ここに挙げたのは「ATSか人材紹介CRMか」を見分けるための項目に限っており、規模・統合度・特化度といった一般的な選定軸は含めていません。

  • 求人企業をマスタとして持てるか求人とは別に、企業そのものを記録できるか。担当RA、取引状況、契約条件を企業単位で残せるかを確認します。ここが無い製品は企業向けATSです。
  • 1人の求職者を複数求人に紐づけ、別々に進められるか同じ求職者がA社は書類選考中、B社は最終面接、C社は辞退という状態を、レコードを複製せずに表現できるか。デモでは必ずこの操作を試します。
  • RAとCAで担当と権限を分けられるか法人側と求職者側で担当が異なる運用に対応しているか。兼務する会社もあるため、1人が両方の役割を持てる設計かどうかも合わせて見ます。
  • 手数料と返戻金の条件を企業ごとに保持できるか料率や返戻の期間・率は企業ごとに異なります。契約条件がシステム内にあるか、それとも別ファイルを見に行くことになるかで、日々の照会コストが変わります。手数料の考え方そのものは人材紹介の手数料相場を参照してください。
  • 就職と、その後の離職まで記録が続くか成約でレコードが閉じる設計だと、6か月以内の離職の把握や返戻金の管理が別管理になります。入社日以降のイベントを同じ求職者の記録に残せるかを見ます。
  • 登録済み求職者に対してこちらから動けるか紹介会社の求職者は「応募してくる人」ではなく「登録して待っている人」です。休眠した層へメールやLINEで再接触する導線が、求職者データと同じ基盤の上にあるかを確認します。

この6項目を満たしたうえで、はじめて規模・料金・サポート体制といった一般的な比較に進みます。逆に言えば、この6項目のどれかで落ちる製品は、いくら他が良くても紹介業務の土台にはなりません。規模や分業形態から比較軸を組み立てる手順は人材紹介システムの選び方にまとめています。

Emproの位置づけ

本メディアを運営するEmproは、人材紹介会社専用のワンストップ型CRM/MAです。ここまでのチェック項目に沿って、実装済みの範囲を書きます。

  • 求職者・求人・選考ステータスの一元管理求職者の登録情報(レジュメ・希望条件・面談履歴)と求人情報をそれぞれ管理し、求職者別の選考進捗を時系列で可視化します。既存データはCSVで一括移行できます。
  • RA・CAの分業に合わせた権限管理CA(求職者側)・RA(企業側)・管理者のロールを加算式で持たせる設計で、1人が両方の役割を兼ねる両面型にも、担当を分ける分業型にも対応します。
  • 追客が同じ基盤に載っているメール・LINEのやり取りを求職者データに自動で紐づけて一元管理し、休眠した求職者への掘り起こし配信を自動で実行します。求人要件に該当する新規登録者を企業へ配信するシナリオも備えています。
  • KPIと売上の可視化面談数・紹介数・成約率などのKPIをリアルタイムに可視化するダッシュボードに加え、選考状況から売上を予測する予実管理の機能を備えています。
  • AIアシスト(β版)経歴・スキル・住所からのAIマッチング(マッチング精度35%向上)と、求人票・面談録画からの自動入力(データ入力時間を平均80%削減)を提供しています(*β版機能・当社調べ)。

一方で、できていないことも書いておきます。外部のATSや求人媒体との求人データ同期は順次拡張予定の領域で、現時点で提供している機能ではありません。すでに他社ATSに求人データが蓄積されている場合、当面は移行または手動での取り込みが前提になります。機能の全体像は機能一覧、料金は料金ページにまとめています。

そして、統合型が常に正解というわけでもありません。特定領域の深さを最優先するなら専業ツールが勝る場面はあります。ただし「企業向けATSで代用する」という選択肢だけは、本記事で見たとおり構造的に無理がある、というのがこの記事の結論です。AIをどこから業務に入れるかという観点は人材紹介のAI活用で扱っています。

よくある質問

Q. ATSとCRMの違いは何ですか?

A. ATS(採用管理システム)は求人企業が自社の応募者を管理するシステム、人材紹介CRMは人材紹介会社が求職者と求人企業の双方を管理するシステムです。ATSは自社1社の求人に多数の応募者がぶら下がる1対多を、人材紹介CRMは複数の求人企業と複数の求職者を推薦で結ぶ多対多を前提に設計されています。違いは機能の多寡ではなく、前提にしているデータの形です。

Q. 採用管理システムは人材紹介会社でも使えますか?

A. 選考の進捗管理という一部分は使えますが、業務全体は閉じません。企業向けATSには求人企業をマスタとして管理する概念がなく、1人の求職者を複数社へ同時に推薦して別々に進める構造も持たないためです。求人企業の情報・契約条件・手数料は結局スプレッドシートに逃がすことになり、データが分断します。

Q. 人材紹介会社に向いているのはATSと人材紹介CRMのどちらですか?

A. 人材紹介CRMです。人材紹介会社には求人求職管理簿と手数料管理簿の備付け義務(職業安定法32条の15、同法施行規則24条の7第1項)や、就職者数・6か月以内の離職者数・平均手数料率の情報提供義務(同法32条の16第3項、同規則24条の8第3項)があり、求人側と求職者側の両方の記録を継続的に残す必要があるためです。

Q. ATSと人材紹介CRMは併用すべきですか?

A. 紹介業務については併用の必要はなく、人材紹介CRMに集約するのが基本です。ただし自社のRA・CAを採用する場面では立場が求人企業になるため、企業向けATSを使うのは筋が通ります。採用代行を兼ねてクライアントのATSに入る場合は、記録が先方の環境に残るため、自社の帳簿や事業報告に必要な情報を別途どう残すかを決めておく必要があります。

Q. 人材紹介会社が法令上システムで管理しなければならない記録は何ですか?

A. 有料職業紹介事業者は、求人求職管理簿と手数料管理簿を作成し事業所に備え置く義務があります(職業安定法32条の15、同法施行規則24条の7第1項)。加えて事業所ごとに毎年4月30日までの事業報告書の提出(同法32条の16、同規則24条の8第1項)と、就職者数・無期雇用就職者のうち6か月以内に離職した者の数・平均手数料率・返戻金制度に関する事項のインターネットでの情報提供が求められます。

人材紹介の構造に合ったCRMを見る

Emproは人材紹介会社専用のワンストップCRM/MAです。求職者・求人企業・推薦の管理からRA/CAの権限設計、メール・LINEでの追客までを1つの基盤で提供します。

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